小説と呼べるモノではないです。
プロットみたいなかんじ。
場面飛び飛び切れまくりなのはご愛嬌。
手ブロ漫画にしたら良いかも知れんけど描けんかった　←告知絵の時に努力はしてみたんだけどねorz
読みにくいのと理解しずらいボケはほっといてあげてください。アホなんです。

厨ニ臭がするのは諦めてください。　←重要

次のopenクリックすれば勝手に前の分は閉じるのでcloseはクリックしなくても良いです（なぜつけたし


00. プロローグ　open ▼

死にたくはないし
殺したくはないし
誰かを守る為とかないし
守られるのはガラじゃないし

正気も勝機も無くて、狂気と凶器は有りました。
なんて、
後で笑い話にもなりゃしない

だって、後が無いんだから。

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01. 野兎　open ▼

目が覚めたら知らない所でした。


（･･･笑えねぇだろ）


そりゃぁ床だろうとアスファルトだろうと寝る自信はあるが
寝たのは家で、自分の部屋で、ベッドだったはずで

（なんで･･･外。）

外。屋外。紛れも無く。

（夢遊病の可能性は･･･歩いて辿り着くような場所じゃないよなぁコレは）

近所とは思えない大自然。
寝たのは部屋で、起きたら外で。つまり誰か（？）が態々運び出したと言うことになるけど

（人が近づいたら起きるよ俺）

人が居ても寝れるので正確にはセルフスペースの人数が知覚してる人数とズレた場合。だけど。

大体、人を運び出すなんてことしたら親が気付くだろう。
俺が起きなかったくらいだから気付かないもんか？
あと可能性としては親が既に（自主規制）。もしくは親もグル。というコトで。

（前者は･･･遠慮したいなぁ･･･後者だったらキレそうだけど）

つまり、異常。
まぁ目が覚めたら外、って時点で異常だけど。
とりあえず

「現状把握。だな」

声は出る。うだうだ考えてるんだから意識は在る。夢じゃなければ。んでもって見えてるし聞こえてる。
味覚は除くとして五感はOK。縛られてるわけでもない。
服装、制服。何でだ･･･いや、突っ込んでも仕方ないけど。着替えまでされて起きないとか無いよホント。
ポケットにはハンカチとティッシュ。胸ポケットに生徒手帳。
普段入れっぱなしのものはそのままなのか。
携帯が無いのは枕元の充電器に在るってことかな･･･

「ITヲタクからIT機器取り上げたらただのヲタクですよー勘弁してくださいよー」

言っても仕方ないけど。
どうせ電波無いだろうし。
時間くらいは解ったのになぁ･･･腕時計はキーボード打つのに邪魔だから付けない主義だ。

あとは、見知らぬ袋。

中身は
つっても明らかに入りきらなくて出てるんだけど
クロスボウ。ボウガンだっけ？同じだっけ？まぁいいや。
いくらかの矢。ボウガンってこういう矢を使うのか。個人的にはリングショットの方が好きなんだけど。
食料。つっても携帯食。栄養バランス的には数日。腹一杯食ったら1日2日で無くなるだろう。学生の食欲ナメンナ。
後は毛布と･･･見知った顔と、名前と顔くらいは知ってる程度のメンバーのリスト。名簿？

それくらいか、と思ったら底に1枚のメモがあった。

“You must cooperate”

「ゆーますとこーぺらて･･･こーぷれーと？」

読めねーよ。

You mast、あなたは～しなければならない？
こー･･･読めんて。コーポレーションはcorpなんとかだった気がする。
coop、コープ、生協？アレcoopなんとかだよな。消費生活協同組合だっけ？消費と生活と組合はなんか違う気がするから協力とかその辺？
PCか携帯があったら調べるのに･･･
求む、向読。


ああそっか、とりあえず人を捜すべきか。
これがどっかの異常者が兎狩りみたいに誘拐した人間を狩るのが目的じゃないと良いんだけど、野兎だけに。

だから、笑えないって。ほんと

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02. 三羽　open ▼

三羽を発見しました。

しましたっていうか、踏んだ。
見知らぬ土地だったからそれなりに周りを見ながら歩いてたつもりだけど、足元もちゃんと見ないと駄目だなぁ。反省しておこう。

「踏んだことを反省してください！」

エスパー？

「まぁそれは良いとして。今起きたのか」

「どれが良かったのかは分かりませんけど、衝撃で起きました。
地面で寝る趣味はありません。
っていうかここ何処なんですか？」

「俺は軽いから問題は無いはずだ。どこかは知らん。今起きたとかマジ役に立たねぇ」

「踏んだ上に暴言！
って何漁ってるんですか？」

俺が目を覚ました時と同じように三羽の近くに放置されていた袋を物色してみる。
変わり映えしないな･･･
ボウガンは入ってなかった。代わりなのか鉄パイプが転がっていたけど。
メモ用紙には

“with other players”

「“他のプレーヤーと”、ね」

これくらいは読める。たぶんあってる。多分。
にしてもえらい中途半端な文章な気がする。他にも在るってことだろうか。

「何ですかそれ？」

「知らん、お前コレ読めるか」

自分の（？）袋に有ったメモを三羽に見せる。期待して無いけど。

「読めません☆」

殴りたい。

「他に持ち物は」

「え？えーと、特に無いです
ってちょっとまってーどこ行くんですかー」

目新しい物も情報も無いってことで次を捜すことにした。

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03. 向読　open ▼

向読に発見されました。

三羽とアフォなやり取りをしてたら向読がひょっこり出てきた。
妖精さんかお前は。

「これ読めるか？」

「え、何いきなり。えーと･･･“あなたは協力しなければなりません。”かな」

流石向読、三羽とは違うな。自分のことは57番目くらいの棚に上げておく。

「そうか、袋の中身は食料、毛布、名簿っぽい紙、だよな。
メモもあったろ、なんて書いてあった？」

「ちょっとは話を･･･もう、
“This is the game”、“これはゲームです”だよ」

「そうか、ゲーム。ね、
武器は？」

「武器って･･･」

武器。ボウガンと鉄パイプを総称したら一応武器って呼ぶんだろう。たぶん。

「これだけど」

ベルトに挟んでいたのか向読が背中に手を回して出したのは銃
･･･眩暈がする。
持ってみたら重くて、よく出来たモデルガンだな、と言いたいところだけど銃弾がそれを否定する。
つーか銃ってお前、鉄パイプと同じラインで言うのは酷くないか。

「話に入れてください！」

三羽、五月蝿い。

「とりあえず寝れる場所探してそれからにしよーぜ･･･」


辺りが暗くなってきた。
気持ちはとっくに暗いけど。


“あなたは協力しなければなりません。”
“他のプレーヤーと”
“これはゲームです”

えるしっているか　かよ。

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04. 和也と奈良　open ▼

結局建物らしきものは無くて、毛布だけで寝るには明け方寒いだろうという話で
男3人で固まって寝たとかマジ勘弁してください。
せめて児玉が居たら、とか考えて絶望した。
男子校マジック恐るべし。

一人ずつ交代で起きてようという話だったけど一人にしたら寝そうな二人だったので
二人が寝てる間に俺が起きてて眠くなったら二人を起こすことにした
寝る前にちょっと話したけど結局何も解らなくて一人で色々考えたかったのもあるけど。
考えた所で解ることなんて無かった
にしても嫌なピロートークだ。


起きるまで待ってたのか時間は相変わらず解らないけど日はずいぶん高くなってて
携帯食を食べながらこれからどうするか話して、名簿に載ってる人は居るんじゃないかという予想を立てたので適当に歩き回ってみることになった
向読に誰かに会わなかったか聞いてみたけど俺と三羽が初めてだって言うからあまり期待できないけど。
顔洗って歯磨きてぇな･･･
日常ってのがどれだけ普通にありがたいものなのか痛感する。


「皆でがんばりましょう！」

三羽が言う

「何を？」

とりあえず突っ込む。

「解らないですけど･･･」

だろうな。


歩き回ってると銃声（？）がした。
銃声だとかドラマでしか聞いたこと無いけど、そうじゃないって願いたいけど。
誰かが何かをしたのは確かなわけで、見に行ってみようってことになって捜してみたら和也と奈良が居た。
しかも家を爆破してる真っ只中だった。
意味が解らん。楽しそうだし、銃声がして？爆破して？それで楽しそうで？
ボウガンがあって、鉄パイプがあって、銃があって、爆発物があって、何処だかわからなくて、
解らないことばかりで少ない情報で解ろうとしてぐるぐるする。

「気持ち悪い･･･」

「え、ちょ、淋さん！？」

思わずしゃがみこむと三羽が慌ててなんか言ったけど、五月蝿い。気持ち悪いつってんだから静かに出来ないのか。
･･･心配されてるのにそんなことを考える自分が嫌になるな

「三羽はちょっと淋たん見てて、僕が二人の様子みてくるから」

無用心にほいほい近づくなよ。とも思ったけど気持ち悪くてそれどころじゃなかった。



向読が様子を見に行ってからしばらく経って、気持ち悪さも落ち着いてただ待ってるのは不安を煽るけど
銃声も爆発音もしなかったから最悪の事態は無いと思う
一人１武器だとすれば、だけど。
･･･あれ、向読が危ないと思うのか。相手は和也と奈良なのに。
でも、銃声と爆発物。
それを使って楽しそうにしてた。
好奇心？
危ないだろう？クライシスマネジメントは無いのかよ。
ボウガンが矢を撃てるのかとか、向読の銃が本物なのかとか、確認してない。
本来なら確認しないといけないとは思うけど、もし本物だと確定してしまったらその意味を考えないといけないじゃないか。
護身用です。なんて奇麗事だ。たとえ護身用だとしてもそれは何かを傷つけるものだということに変わりは無いじゃないか。

「危ないっ！？」

三羽が急に叫んで、視界をさえぎったと思ったら、倒れた。

「三羽！？三羽！！何で！！おいっ！！」

訳が解らなかった。
三羽が倒れて、血が、血が地面に広がって、ズボンの裾に染みて行って、三羽がしばらく痙攣して、動かなくなった。

動かない。呼んでも揺すっても反応が無い。ただのしかｂ･･･死んだ･･･のか？死んだ。三羽が？

冗談じゃない。ああ、うん、事実だから冗談ではない。が、そういう問題でもなくて

「海が三羽を撃ったっ！」

向読が息を切らせながら走ってきた。
もう、何がなんだか
奈良が？三羽を？撃って、三羽が死んで、俺を庇って、狙われたのは俺？銃声は無くて、でも三羽は撃たれて、たぶん、撃たれて死んで。
奈良が三羽を殺した。のか。

気持ちが悪い。

「淋たん、淋たん？大丈夫？」


食料少ないのに吐いたら食べたものがもったいないなぁとか
向読ちょっと静かにしてくれとか
誰か状況説明をしろよとか
こういう時は神様にすがれば良いのかとか
7日で世界を作るなんてアバウトなことをした神に祈って何になるのかとか
どうでもいいことを考えたりして

その後は覚えてない。

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05. 野兎と向読　open ▼

目が覚めたらやっぱり外で、環境は変わってなくて、制服がバリバリして

（汚い･･･）

汚い。血で。
汚いとか酷い話だな･･･三羽の血だぜ？しかも三羽死んだし。それを汚いとか他に言いようは無いのか俺は。

「あ、淋たん気が付いた？
淋たん運ぶの重かったよー」

そう言って向読が笑うから

「俺は重くない、お前が小さいんだよ」

とか釣られて笑って、まだ笑えるんだなとか思った。


運ぶ。というからには場所を移動したんだろう
三羽の姿は無かった。血の跡も無いから三羽の方をどうにかしたわけではないらしい。

「三羽は？」

「覚えてないの？三羽は海君に･･･」

「じゃなくて！その、死体はどうしたのかって」

殺されてとか死体とか聞きたくも口にしたくも無いけど他に言いようも無くて

「三羽はあのまま。
ちゃんとしたかったけどどうしたら良いかわからなかったから」

ちゃんと？
ああ、葬儀して火葬して墓に入れて。

「まぁ、三羽の墓穴掘ってたら殺されて自分の墓穴掘っちゃってましたーとかなったら笑えないしな」

冗談を言ってる場合でもないけど冗談くらい言ってないとどうにかなりそうな気がした。
どうにかなれば良いのに。
どうせなら

「寝てる間に死んでたら良かった」

「え？」

「なんでもない」

別に死にたいわけじゃない。
けど、死ぬんだったら気が付いたら死んでたくらいが良いなと常々思ってた。
今でも思う。今だから思うのか。

「これからどうしようか」

しるか。聞かれても困る。
知ってることをまとめても解らないことばかりで
どうするのが正しいかなんてわかるわけも無くて
ｇｇｒｋｓとか思ってもPCも回線もないし、そもそもヒットするわけが無い
前例が無いから参考も無くて
前例が無ければ作れば良いとか、カッコつけてる場合でもなくて
そもそも

どうするんだよ。

こんなのは、知らない。

「淋たん？」

何を言ったら良いのか解らない。

「･･･えーっと、暗くなってくる前にちょっと辺り見てくるね。何かあるかもしれないし。
淋たんはもうちょっと休んでると良いよ」


遠ざかる向読を見て“独りにしないでくれ。”とか思って、やめた。
“独りになるな”って言うべきじゃないのかこういう時は。

「カッコ悪･･･」

知ってたけど。
カッコつけないとカッコ悪い程度の人間なのは。

「先輩、なんだけどなぁ･･･」

先に生まれた程度に意味なんて無いけど。

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06. 伊後と鏡と瑞穂　open ▼

状況は異常で、おかしくて、おかしな事しか無くて
目が覚めたら知らないとこに居て。
三羽が奈良に殺されて。
向読がそう言っただけで奈良が撃つとこを見たわけじゃないけど。
何を信じたら良いんだろう。
信じる物はなんですか。
信じる者は･･･

「儲かるってか」

アホなことしか言えないのか。
現実逃避。だよなぁ･･･


“これはゲームです”

人が死んでゲームとか。巫山戯るなよ。現実は死んだら生き返ったりしないんだよ。

“あなたは協力しなければなりません。”

協力して、何をするんだよ。

“他のプレーヤーと”

人を殺すようなヤツと？

「人を殺すとか、正気じゃねーよ狂ってる」

狂う。獣の王。
獣に失礼な話だな。
エゴで同族を殺すのは人間くらいだ。
じゃぁ殺人は人間らしい行為なのか。
戦場の英雄は日常の殺人鬼だ。
大量に殺したらもう殺人者ではなくて殺人鬼。
鬼。

連想ゲームしてる場合でもないんだけど
ああ、俺ももう狂ってるんだろうか
殺人者の狂気は誰もが保障するけど、俺の正気は誰が保障してくれるんだろう

「人が死ぬってなんだっけ」

ばかばかしい疑問。
もう話すことは無くて、馬鹿なことをすることも無くて、会うことも無いってこと。
･･･なんだネットのヤツが急に居なくなったのと大して変わらないんじゃないか

違うだろう。
と、頭のどっかで言うけどそれを聞いてしまったら自分が駄目になってしまいそうなんだ
ごめん。今はそう思わせて。

「友達が殺されたらどうしますか」

口にして、胡散臭いなと思う。ありえない。
でもそれが実際あったわけで
犯人が奈良かどうかはさて置いても三羽は殺されてるわけで。
事故じゃないし。
ああ、誰かが適当に撃ったのが三羽に当たった場合は事故になるのか。
可能性を模索してる場合でも無くて。
そもそも犯人が奈良じゃないなら向読はなんでそう言ったのかという話で
奈良を信じたら向読を疑わないといけなくて
向読を信じたら奈良を疑わないといけなくて

嫌だなぁ･･･
選ばないといけないのか。
本当は両方の話を聞いてから決めたいんだけど奈良が犯人だったら聞いてる場合じゃないし。

そういえば三羽はなんで俺が危ないって思ったんだ？

《かがみんが隊長を殺したー！！》

《皆気をつけて！！》

ふいに、瑞穂の声が響いた。
スピーカーまであるのかここは。
いや、それよりも

隊長。伊後が、鏡に殺された。って、瑞穂が言う。

ああもう、だから、もう、誰かが死んだとか、誰が殺したとか、そう誰かが言うだとか。
伊後は本当に死んだのか。鏡が本当に殺したのか。あの声は本当に瑞穂なのか。

「問題を増やさないでくれ･･･」

回答は無くて、教えてくれる人も居なくて
無いものばっかりだ。
勝手にどうにかなればいいのに。

「･･･。」

どうにか

“成れ”ば

いいのか。


いいよもうそれで。そうしよう。
何が正しいのかわからないし。
嘘でも本当でも、自分がそれで良いって思えたらそれで

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07. 野兎と向読　open ▼

「友達が殺されたらどうしますか？」

「そりゃ仇討ちじゃね？」

「仇討ちって？」

「犯人殺すんじゃね？」

「犯人って？」

「奈良じゃね？」

「それでいいのか？」

「いいんじゃね？」

「奈良を殺す？」

「他にどうしたらいいんだよ？」

もう、それでいいんじゃないか。

「三羽を殺した奈良を殺すなら伊後を殺した瑞穂も殺すべきかなぁ」

「奈良と瑞穂を殺したら奈良と瑞穂を殺した俺は殺されるべきかなぁ」

「奈良と瑞穂の仇を討つのって誰だろうねぇ」

「やっぱ和也かなぁ」

「じゃぁ俺を殺した和也を殺すのは誰だろうねぇ」

「やっぱ向読かなぁ」

「じゃぁ和也を殺した向読を殺すのは誰だろうねぇ」

はは･･･終らねぇよ。それじゃぁ残るのは一人ってことか。

もう、どうでもいいんじゃないか。


「淋たん･･･？」

向読が帰って来たらしい。
それも、どうでもいいけど。

「向読ぇ、さっき“これからどうしようか”って言ったよなぁ？」

状況に不釣合いに笑う
“人間ほんとうに困った時って泣くか笑うかなんだってさー”
児玉がそんなことを言ってた
本当だな

「決めた。

奈良を、殺そう。」

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08. 野兎と奈良と和也　open ▼

「淋たん本当にそれで良いの？」

奈良が居るだろうところに向かってる最中に向読が聞く

「だって三羽が死んだんだ」

“それ”は事実なんだ。

「だって奈良が殺したんだ」

“そう”じゃなきゃ向読を疑わないといけないんだ。

「だって友達が殺されたら殺したヤツを殺すモンなんだ」

“それ”が“普通”なんだろう？
それが“正解”なんだろう？
そうする“べき”なんだろう？

他の答えなんてどうでもいい

「奈良が三羽を殺したから俺が奈良を殺すんだよっ！！」

奈良を殺せばいいんだ。そうしたら誰かが俺を殺すから。そうしたら終われるから。
殺したくないとか、死にたくないとか。そういうのはもう考えない。
考えたら考えないといけなくなるから。

「協力しないといけないんじゃないのー？」

「協力なんてするかよ！！俺はあいつを殺す！」

でも、

「向読は殺したいとか思わないのか？」

殺したいとか思うのはやっぱ間違ってるのか

「ええー･･･えーと、思うけど」

そうか。良かった。

「じゃぁ殺せば良いんじゃないかな」

「そうかな」

「それでいいんじゃねー？」

ぎゃはは
とか
きひひ
とか
ワケのわからない笑い方をする自分が妙におかしくて
余計に笑った。

気が付いたら走り出してて
走りながらしゃべるのは息が切れて苦しいけど
それすらおかしくて

オカシイのがここの“普通”なんだと納得した。
そりゃ、人も殺すわ。



ただ殺す為に走って、もう走れないと思って、体力ないなぁとか思いながら立ち止まったら丁度奈良の声がした。

（見つけた。）

御誂え向きに止まった時に見つけたわけで
そりゃぁもうこれ殺すしかないですよねーとか思ったわけで
御誂え向きに奈良は寝転がって止まってたわけで
こりゃぁ神様の思し召しですよねーとか思ったわけで

ボウガン構えて撃ったら

「外れたか･･･」

（練習くらいして置けばよかった）

やっぱり7日で世界を作った神様の思し召しなんてこの程度か。
奈良がなんか騒いでるっぽいけど聞こえない。聞かない。

「次は、当てる」

奈良が走って逃げた。
しまった、当てる気が在るんだったら宣言とかしてる場合じゃないか。
めんどくさいな
大人しく死んでくれれば良いのに。
マジうぜぇ

「ふざけんな淋！！何すんだ！」

和也が怒鳴る。
ああ、和也も居たんだ？
そりゃぁ居るか。
何すんだって？

「こっちのセリフだっ！！」

何したって？

「お前が三羽を殺したんだろ」

和也じゃなくて奈良な。

「奈良が三羽を殺したんだよっ！」

だから、

「死ね」

当たってください。お願いだから。
死んでください。お願いだから。
神様に祈っても仕方ないみたいだから奈良に願うよ。

そう願って撃ったら本当に当たって、奈良が崖から落ちた。
流石海様。ってか
何処に当たったかちゃんと見てないけどあれは死んだかなー。
あはは･･･

俺が奈良を殺した。

･･･つーか痛い、熱い、腹が。
和也に撃たれた。っぽい？
銃声で耳がおかしくなりそうだ。
良かった、やっぱり“友人が殺されたら殺した犯人を殺す”が“正解”なんだ。

ああもうそんなガンガン撃つなよ。銃だけにー？
片手で撃ったら肩壊れっよ？
あはははははははははは

･･･くっだらねぇ

口に出したら恥ずかしくて死にそうだ。
出さなくても死ねそうだけど。
マジ痛い。
ぱねぇ
内臓がイってるんだろう。こみ上げた血液で口の中で鉄の味がする。
もったいないな、ただでさえ貧血なのに。
･･･死ぬならもう関係ないか。

ほっといても死にそうだってのに和也が更に撃とうとして向読が俺の名前を呼んでなんか赤いのがちらついて和也が銃を落として
向読に担がれてその場を離れた。

本日2度目。

つーか、

お前何処にいたのよ。

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09. 野兎と向読　open ▼

「僕だったんだよ」

向読が言う。

「海君じゃないよ三羽を殺したのは」

向読に担がれたらしい。
本日3度目。

まぁ銃声聞いた覚えないしな。和也が撃たれた時も。
だからもしかしてとか、そっちか！とか思ったけどそうですか。
まさかお前の銃がサイレンサーとか豪華特典付きとは思わなかったよ
つーか見たときレーザー照準装置もサイレンサーも付いてなかったじゃん！
なんだよこういう時ばっかり頭回しやがって向読のあふぉー
大体優遇されすぎじゃね？
三羽とか鉄パイプだぜ？三羽涙目。

「見事に引っかかったよねー」

うける

そう言って笑う向読。
うけるって

「お前！！」

思わず突っ込んだら傷に響いて思わず蹲った。

「無理しない方が良いよ痛いでしょ？」

すげぇ痛いです。胸が。

「和也に撃たれたとこ凄い出血だよねー」

実にもったいない限りです。

「あとどれくらいもつのかな？
ねぇ淋たん」

知るか。
三羽は結構あっさり死んだけどな。
当たり所が良かったのか、悪かったのか。

「何で殺したんだよ･･･」

三羽を向読が殺した。
いや、三羽は俺を庇った結果だから俺を殺したかったのか
そう考えるとちょっとショックだな･･･

「えー？

ゲームを楽しむ為　だよ」

“This is the game”　“これはゲームです”

「お前ルール知ってるだろ」

“You must cooperate”　“あなたは協力しなければなりません。”

“with other players”　“他のプレーヤーと”

「知ってるよ？　でもさぁ」
淋たんだってルール破ったじゃない
人の事言える？」

人殺しと協力とか出来ないんで。
奈良は三羽を殺してなかったけど。
ごめん、奈良。
･･･ああ、そういえば向読は俺が奈良を殺すのに協力したのか。

「すごく楽しかったよ」

ゲームも楽しんで、他のプレイヤーとも協力して、お前はルールに則ってたんだな。

「お疲れ様」

お疲れ様、ね
“ご苦労様　は目上から目下に対して使う言葉だ”
とか前に言った甲斐があるなぁ！先輩冥利に尽きるよホント！



もうほっといても死ぬのに向読に撃たれた。
サイレンサーって優秀だな、ほんと音殆どしねーわ
つーか、撃たれるのって痛いんで勘弁してください。





「本当はもうちょっと話したかったけど･･･」

俺は出来れば女の子の膝枕が良かったです。

「僕が殺したかったからさ」

そういや殺したいと思うのは誰かって聞いてなかったな。俺か。

「他の人に殺されるとか嫌だから」

正直俺を殺したのは和也になります、あれほっといても死ぬし。
ゲームだって言うなら尚更
止めを刺したヤツにポイントが入るなんて懐かしゲーじゃあるまいし
最近のゲームはファーストアタックが重要なんだぜ？

突っ込みたいけどもうしゃべれないし。
あーくそ、つっこみてぇ･･･

可笑し過ぎて腹が痛い。
撃たれた腹が痛い。
痛い。
もう感覚も無いから痛かった。か

痛かった。
いたかった。
あの馬鹿騒ぎしてた日常に

居たかった。





死にたくないなぁ･･･





：DEAD END.

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10. エピローグ　open ▼

誰を恨めば良いのか、何が悪かったのか。


三羽。

俺を庇って死んだ。

庇われなかったら俺が死んでたのに
そうしたらこんな色々考えなくて良かったのに。

アホ。
マジで、他人庇って死ぬとか馬鹿じゃないの？
わーかっこいー。とか言えば良いのか。


向読。

ゲームだからって殺すな。

人は死んだら生き返んないんだよ
このゲーム脳が

しかも他の人に殺されたくなかったとか
そんな愛はいりません。ヤンデレめ


和也。

友人殺されたからって撃ちすぎだろ
一回撃たれてみろってんだ

ここで一回撃たれたらそれだけで死ぬと思うけどな


奈良。

死んでたら恨むかも
俺人殺しになりたくないんで。
身勝手だとは思うけど

転落死でも俺のせいなのか。


俺たちをここに連れてきた誰か。

コイツ（ら？）か、本当に恨むべくは。
クソ基地外が。


･･･やめた、
恨んでも仕方ないし。
どっちにしても俺死ぬし。
もう死んだのか？
死に際って走馬灯とか見れるんじゃないのか。
最期まで考え事とか俺らしーっつーかなんというか。



誰が悪いっつーか
俺が悪いっつーか

そうだな、こんなところに連れてこられた　俺の運が悪かった。　んだな

あーツイてねーなぁ

とりあえず向読もしねばいいのに。
したらあの世でボコる。
他の人に殺されたくないくらい愛しちゃってる俺が待っててやるから
さっさとしね。
俺の分も生きてとか無いから。
三羽も俺も居ないとか詰まらないだろ？

まぁ、あの世とかあるかしらんけど。

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XX. あとがき　open ▼

書いてみて思ったのは
ほんとう　しらん　が口癖なんだなと。
事実確認と知覚の有無は私の本分だからなぁ･･･
あと自問自答と自己暗示、常にボケて常に突っ込む。



以下、どうでもいい補足。

男子校マジック：女子を見る機会が殆ど無い男子校の生徒は女性を見ると何故かそれだけでかわいいと錯覚すること。
らしいです
しかし女子校では起きない不思議。
ちなみに
女子高生マジック：女子高生がたまってると何故か全員可愛く見える不思議。
というのも在るらしい。
何で知ったか覚えて無いのでどうかはしらんけどｗ

クライシスマネジメント：危機管理
読んで字の如く。

エゴで同族を殺すのは人間くらいだから殺人は人間らしい行為：嘘です。
“女装”は男にしか出来ない諸行なので実は男らしい行為なんだよ！ってボケの応用編です

狂ってることの保障は他人がするけど、正気は誰が保障してくれるのか：ヘルシングネタ
狂ってることを自覚するのは実は正気なのかとか
正気だと思ってるけど実は狂ってるんじゃないのかとか。
異常な環境での正常ってのは異常のことなのかとか

嘘でも本当でも、自分がそれで良いって思えたらそれで＝自己暗示：アホリズムネタ
正しいってのの「正」って「征」の原字
征服の「征」ってトコから

名前はアレだけどドシリアスな血みどろ漫画です。
おすすめ（何
これもパロりたいんだが文字が決まらん･･･

痛い→いたい→居たい：凛のミキネタ
どれだったか忘れた。
ああ痛い→会いたい。でも書きたかったんだけどくどくなるからやめといた

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